日本では満足できなかった

僕がなぜベトナムに住んだのか?というととどのつまりは「日本では満足できなかった」からです。こんなことを言うとかっこいいように思うかもしれませんが、日本での日常は僕にとって物足りないものでした。僕はもともと父親の仕事の関係で海外生活も経験しています。そうしたこともあり、日本に戻った際は良い面もたくさんあったのですが、ここにずっといるのはなんだかなという気持ちになりました。

帰国子女枠で日本の大学に入学し、なんとかぎりぎりセーフで成績を保っていました。大学を卒業後は親の縁故もあり、商社に就職。親としてはこのままずっといくものだと思っていたことでしょう。僕自身も社会人になってからは、仕事について真剣に考えるようになっていたし希望ももちろんありました。

僕の勤めていた商社は中堅の商社です。海外転勤を期待していたのですが、1人か2人といった感じで最近は現地の日本語が話せるスタッフを使うのが通例になっていました。どう考えてもここにいて、海外勤務のチャンスが回ってくるとは思えませんでした。

またちょうど友人が会社を辞めて南米旅行へ行ったこともあり、もろに影響を受けてしまいました。

この件があってからますます日本にいることに疑問を抱き、冬のボーナスをもらって辞表を提出しました。

もちろん周りから反対はありました。特に父親です。縁故ということもあり、なおさら面目が立たないといったことを言っていましたが、必死で説得したところ僕の状況を理解してくれました。

その際1つ約束させられたのは自由な時間は1年、そしたら1度必ず戻ってくることといった条件でした。

つまり1年は自由にしてもいい、その後は就職しろいうことです。

このとき僕は漠然と30歳までなら軌道修正がきくだろうと思っていました。幸い住んでいる福岡には進出企業もけっこうあります。きっと給料ダウンは避けられないだろうけど、なんとかやっていけると変な確信がありました。

日本では満足できなかった理由ですが、やはり「窮屈感」が最大の原因だったと思います。あのなんともいえない窮屈感やルールありきの社会といったことが僕にはどうしても肌にあいませんでした。

逆に良かった点は、ご飯がおいしいことです。和食は最高ですね。海外でも和食が充実しつつありますが、日本の和食は最高レベルだと思います。

さてこうして僕は仕事を辞め、その後1年間世界1周の旅に出かけます。日本に戻ってきて早々に大学時代の友人Sから連絡がありました。